漆喰の塗り替えに最適な下地処理材!
島かべプライマーは、ローラー・刷毛で簡単に塗れる下地処理材です。
下地の汚れを隠蔽し、下地からのアクも止めます。
漆喰の強度を高め、下地の吸水調整も可能です。
Before
▼
After
漆喰の亀裂塗り替え方法について
漆喰の亀裂は、「工期の短縮」「コストの削減」「建築下地の多様化」など様々状況があり、自然素材で割れやすい漆喰と新建材下地の現代建築との融合には、課題が多くあります。
漆喰塗り替えても「絶対に割れない!」は言い切れない現状・・・
一番にあげられるメンテナンス方法としては「塗り替え」ですが、対策として下地の状態を理解し適切な施工を行わなければなりません。
当社の長年の漆喰販売実績からなる知見ではありますが『漆喰の亀裂』の原因と対策を検証します。
漆喰壁の亀裂壁面はタッチアップでは完全にもとには戻りません。
「何故割れたの?」「何が原因で割れたの?」を仮定し、どのように補修するかを理解することで、文化財補修や町並み保存などの改修を適切に行うことにつながると考えます。
そんな漆喰の亀裂を塗り替えで直したいとお考えのお客様にご提案!
長いですが続きをお読みください!
ごめんなさい!ネーミングは当社が勝手に命名!「漆喰亀裂の種類」
様々な亀裂の種類を見ていると何となく種類分けでき、原因を見つけ、適切な補修方法に進むことが出来るかもしれません。
その種類の中で、建物の下地や構造により発生する物は、補修をしても同じ結果となり、実際に補修を断念しなければならないこともあります。
下地から上塗りまで「どの層が原因で割れたのか」を仮定し、原因となる部分を完全に補修し、取り除かなければいくら上へ塗り重ねても結果的に補修につながりません。
1)漆喰の構造亀裂~いわゆる下地が動いた、建物が動くなどが原因
左官仕事で防ぐことが出来ない亀裂です。様々な要因が考えられますが、地震や台風、近年は耐震構造などの建築物の軽量化により建物自体が動き、壁面に加わる強い圧力などが原因の場合が多く、ボード下地や、ラスカットパネルなどの反曲や、ジョイント部分の処理などの下地が原因となるものが考えられます。また、下地が塗り壁を塗るのに適さない物に塗ることで発生する亀裂なども、構造亀裂の種類に含まれます。
他に、交通網の発達により大型トラックが行き交い道路沿いの建物を揺らすなどの原因も考えられます。亀裂の形状として比較的大きな亀裂で、出角・入角・開口部・ボードの継ぎ目などにもよくできる亀裂です.これらの亀裂は、左官工事において修復は難しく、原因となる下地からの補修が必要となります。
2)貫き割れ(一文字亀裂)~小舞荒壁などの貫部分などに多くみられます。
小舞下地の貫き部分から起こる亀裂で、土壁の塗り厚の薄いものや貫き伏せなどの処置を適切に行っていないのが原因として考えられます。
他によく似た症状で、木摺り下地やラスモルタル下地で、下地板の伸縮反曲により下地に沿って横一文字に割れる亀裂(一文字亀裂)も多く、これらも下地施工上の不備と、塗り厚不足による原因が考えられます。軽量モルタルなどの中塗り材料の塗り厚不足が原因となる場合もあります。
この割れに関しても、原因は下地にあるにせよ、上から塗り替えてもまた割れてくるでしょうね!
3)稲妻状亀裂~開口部分などから発生することが多い割れです。
漆喰壁では一般的によく見られるもので、外壁などそのままにしておくと亀裂から水分が回り剥離などの2次災害につながる危険があります。
60cm~90cmぐらいの長さで一定方向に入り、時には方向を変え進みます。
割れの状況から構造亀裂にも見えほとんどが構造亀裂として判断し対処しますが、上塗り層の塗り接ぎや荒壁下地の乾燥を確実に行わず追いがけで仕上げた場合、その他大壁において、大きな面を厚く塗った場合など、乾燥収縮による原因と考えられます。砂しっくい(中塗り)との接着不良による剥離が原因となる場合もあるため、亀裂部分を十分に確認の必要があります。
中塗り層まで被害がある場合が多く、その場合は原因となる層まで剥がし、補修しなければなりません。
4)亀甲亀裂~厚塗りなどが原因でなることが多いです。
塗り厚が極端に厚いことで起こり、乾燥収縮により全体的に細かい亀裂ができます。近くに寄らないと見えない程度のものが多く、基本的には失敗とは考えない状況です。
症状も表面にとどまり内部まで進行していない場合が多く、砂漆喰への追いかけのタイミングが遅い場合や、砂漆喰の塗り厚が著しく厚いものに追いかけた場合などによく起こります。
塗り面積により被害は異なりますが、水引が早い場合や、水の引いた後までしつこく鏝で押さえた場合や、押さえが足らない場合などにも起こります。
その他、中塗りに対して追い掛け塗りを行った際、収縮率の違う材料の上に塗った場合や、上塗りの塗り厚が厚い場合なども考えられます。
5)網状亀裂(毛状亀裂)~ほぼ亀甲亀裂と同じですが・・・ドライアウトみたいなもの。
これもまた亀甲亀裂と同様の、乾燥収縮や吸水性の高い下地への施工、塗装表面の水分蒸発が早い場合などに起こる細かく不規則に生じる亀裂です。
網状亀裂や、毛状亀裂は上塗り層のみに見られる現象で、内部まで被害がある場合は少なく、気になる場合は上塗り層の塗り直しによって補修することが出来ます。
漆喰壁の亀裂の種類については強引ではありますが、こんな感じではないでしょうか?
最近では、漆喰が割れない様に材料に大量にスサや砂を入れているものも多くあります。材料そのものが原因で割れる事は少なく、ほとんど「構造亀裂」として話は進みますが、すべて構造亀裂で終わらせるには無理があるでしょうね。
漆喰の亀裂の原因特定は状況により異なります。
色々仮説を立てながら、状況において判断しなければなりません。補修に際して、原因を特定し除去しなければ解決しません。
① 下地の水引調整不足、急激な水引によるドライアウトによる剥離が原因で割れる。
※塗っているときにブツが出来る場合などは注意してください。
② 水量が多く、鏝押さえ不足による乾燥収縮が原因で割れる。
③ 塗り厚が著しく厚く塗り重ねることによる、乾燥収縮によるもの。
※上塗りの一度の塗り厚1㎜~2㎜未満
※砂漆喰の一度の塗り厚3㎜~5㎜未満
④ 工期短縮による各工程の追い掛け施工による養生不足。
※追い掛けは上塗り施工時のみ、その他各工程は十分に乾燥させないと収縮割れする。
⑤ 冬場の凍て。
※昼夜気温5℃以下での施工はしない。凍ると白華や硬化不良になります。
① 地震などの災害によるもの。・・・「そりゃそうだ」
② 幹線道路沿いの建築物で、トラックなどによる振動によるもの。
③ 壁自体に直接的な外力が加わった場合。・・・「当たり前か!」
① 材料の配合の不備。
※最近は既調合品が多くあまり問題とならないですが、スサが入っていないや糊が少ないなどが原因となる事があります。骨材(炭酸カルシウム)が入っていない場合なども小ひびの原因になります。
② 混練不足や、練り置き不足によるもの。
※ゆわゆる材料の不均衡?バランスが取れていない場合に起こります。
この原因に関しては、結論として下地が動かなければOKとも思います。漆喰壁には全く弾性力が無いので・・・鉄骨造などの建築物自体が動く場合は下地への躯体からくる影響があり、木摺り下地など木材の膨張収縮などの原因や、強度があるが弾性力のある下地「ラスカットパネル」や「無塗装サイディング」「構造用合板」などへの施工も危険です。それでは、塗り替えに関してご説明させて頂きます。
今回は、上記の亀裂の原因「構造亀裂」ではなく、亀甲亀裂や網状亀裂など比較的新しく、漆喰壁が浮いていなく、しっかりしている場合の補修方法となります。
小さなヘアークラックと放置しておくと、外壁の場合はそこから雨水の出入りがあり徐々に亀裂が大きくなっていきます。
その亀裂周辺からカビが発生する原因にもなるので、ヘアークラックであっても塗り直しは、長期的には良いと思います。
※カビの発生スタートは、亀裂周辺が多いです。
というわけで、亀甲亀裂や甲状亀裂、その他構造亀裂以外の原因による塗り替え方法となります。
亀裂部分の確認!~浮いていませんか?
亀裂は周辺は、浮いている場合があります。そのような場合は、亀裂周辺をVカットし、浮いている部分を除去してください。
塗り替え用の下地強化(アク止め)処理!~島かべプライマー塗り!
浮いている所や、亀裂周辺の除去が終われば、次は、下地強化と古い漆喰の場合のアク止め処理を兼ね、全面に「島かべプライマー」を塗ります。
島かべプライマーは、ローラー・刷毛で簡単に塗れる下地処理材です。
下地の汚れを隠蔽し、下地からのアクも止めます。
漆喰の強度を高め、下地の吸水調整も可能です。
下塗り(中塗り)!漆喰ベースでバッチリOK!
先ほどVカットした部分のパテ埋めにも固練りの漆喰ベースをお使い下さい。
パテ埋め後、Vカット部分にファイバーテープで補強し、全面に漆喰ベースを塗ります。
この状態で完全乾燥
漆喰ベース塗り厚1mmの場合
夏場6時間~12時間
冬場12時間~24時間
程度の養生(乾燥期間)が必要です。
漆喰ベースが乾燥したら、漆喰を塗って下さい!
最後までご覧頂き有難うございます。この工法は、漆喰亀裂補修の一例です。
「漆喰の亀裂に困ったな?」とお考えのお客様は、お気軽にお問合せ下さい。