手作業であくぬきをした希少な藁(わら)すさ
特殊な製品ですが、土壁には絶対必要な物
藁すさは日本の伝統的な左官材料で、通常土壁に混入されるものです。
木舞下地の荒壁から大直し、中塗り、切返し仕舞いから上塗りである糊差しや水捏ねに至るまですべてに利用され、種類も大きさも様々あります。伝統的には下地に近いほど大きい物を使用します。
「あくぬきわらすさ」長さ約1.5㎝程度で揃えられており、主に切返し仕舞や、上塗りの土壁に混入することが多い藁すさになります。
このような土壁の素材、藁すさも近年の建築様式が徐々に乾式工法に変わりはじめ需要も激減し、製造しているところも少なくなってきましたが、当社では少ないながらもまだまだ需要もあり、数種類のわらすさを製造・販売しています。
製造方法は昔から変わらず採取した稲藁を水に浸して十分灰汁抜きしたあと、よく叩いてほぐし、必要のない節を除去しよく乾燥させ必要な大きさに切断し袋に詰めます。
製造風景を少しご紹介します。
当社のあくぬき藁すさは、長期間水にさらしアクを抜いています。
下記の写真は、あく抜き藁すさの粉砕前の藁です。
上の写真は、当社の藁すさの原料・・・あくを抜いて天日で干してから粉砕します。
土壁の切返し仕舞や上塗りは、仕上がりの美しさも求められるため、これらに混入される藁すさは上品な仕上がりで、あまり灰汁のでないものが条件となります。
「あく抜きわらすさ」はその条件を満たしているため使用されます。