日常生活では経験できない特別感ある空間
依頼いただいたのは建築デザイナー様。あるクライアント様から貸別荘の設計をお願いされ、その貸別荘に合う素材のご相談です。
クライアント様とデザイナー様の打ち合わせで確定していたコンセプトが「訪れる人に癒しを与え、非日常も感じれる空間」です。
このコンセプトをお聞きし、当社が提案させていただいた素材が「土」です。「土」や植物の緑など、自然由来のものは癒しとやすらぎ、落ち着きを空間にもたらすからです。
では「土」で非日常を味わうことができるにはどうする?というお話になり、デザイナー様より「祠(ほこら)のような空間にしたら非日常を味わえるし、貸別荘としても個性があって面白いよね」とご意見をいただき、祠のような空間を実現できるデザインを「土」で表現するオーダーの依頼をいただきました。
経年劣化(エイジング)感と強度の両立
研究・開発をすすめる上で大変だったのは祠を表現するためのデザインと強度の両立でした。
デザインは経年劣化し、少し風化した「土」の再現です。例えば同じ「土」の壁でも、茶室の壁のような土壁では上品な仕上がりになり、祠のような空間は表現できません。
祠を表現するには劣化し、少し表面が削られ土壁の素材が見え、凹凸した仕上りにする必要があります。しかも、この度の現場は祠を表現するため内壁と外壁、どちらにも土壁を採用します。
経年劣化(エイジング)感を出した仕上りで外部の雨風に対応できる耐久性や強度。この両方を成立させることが難題でした。
試験を繰り返し、難題をクリアし、お客様に提出させていただいたサンプルが下記になります。
外部に使用する耐久性は問題ありませんが、これだけ凹凸があると汚れの問題があるので、外壁のみ塗布感が出ない撥水剤をご使用いただく提案をしました。
このサンプルで施主様と打合せをしていただき、採用が確定したので、これから施工していただきます。
当社では淡路島の「土」を素材にした壁材や床材で、お客様の建築イメージ、コンセプト、ニーズに合う空間デザインをご提案をしております。
多彩な空間を彩る壁や床の質感、表情をゼロから開発し、形にします。
「こんな感じにしたい」「こんな風にならないかな」「こんな材料、仕上がりになれば実現できるかも」などがあればご相談ください。