藁すさにも様々な種類があります
土壁の素材としてかかせない製品「藁すさ」。
最近お問合せが多いので、それぞれの商品のご紹介を改めてしたいと思います。
まず、当社販売の藁苆【わらすさ】について・・・
藁苆(わらすさ)は、日本伝統の左官材料で、通常土壁に入れるものです。小舞下地の荒壁から大直し中塗り、切返し仕舞いから上塗りである糊差しや水捏ねに至るまですべてに利用しており種類も大きさも様々です。
わらすさの利用は歴史的にも大変古く、日本最古の法隆寺でもその使用は認められており、稲作が日本で行われるようになり土が建築に使われだしたころからすでに混入されていたのではないかと考えられています。昔から国内の稲作農家は多く藁を様々な分野で活用されていたため、その古材としてわらすさは安価で量も多く手に入ることから日本全国に広まったと考えられます。
残念ながらわらすさを利用する土壁は、近年の建築様式が徐々に乾式工法に変わり需要も激減し製造しているところも少なくなってきました。
しかし、当社は、日本の伝統を守るべく製造方法にもこだわり、原料となる稲藁は刈り取ってすぐのものは水分を多く含み張りがありほぐれにくくアクもよく出るという理由から古いものを利用し、長期間水に浸して十分灰汁を抜き乾燥させ、よく叩いてほぐし必要のない節を除去し、乾燥させ必要な大きさに切断し袋に詰めるという作業工程で製造しております。
【商品名:あくぬきわらすさ】
あくぬきわらすさは薬品を使わない特殊製法で稲藁のアクを抜いた後、天日干しでよく乾燥させ、それから裁断し梱包する手間ひまをかけて製造しております。
中塗り土や漆喰・珪藻土・じゅらく壁などの各種仕上材に混入出来ます。
【商品名:ひだしすさ】
ひだしすさはあくぬきわらすさと同じ特殊製法で製造し、あくぬきわらすさよりもさらに細かく裁断してある藁すさです。土壁仕上げの中でもより上品に仕上げる、切り返し仕上げなどにご使用いただけます。
【商品名:みじんすさ】
土壁仕上げの最上級ともいわれる「水捏ね仕上げ」に使用される、厳選された素材の一つがみじんすさです。ひだしすさよりもさらに細かいので、上塗り材料に混ぜても目立たなくなります。
【商品名:まるなかすさ】
少し荒めの藁すさで繊維がしっかりしていて、稲色がきれいなのが特徴です。アクは抜いていませんが漆喰に混ぜるとすさの荒々しさがよくでて、すさのまわりにほんのりとすさのあくが出て味わい深い表情になります。
【商品名:中すさ】
アクを抜いていない稲藁を乾燥させ裁断したのもです。昔から地域によっては「つなすさ」とも呼ばれ、あくぬきすさに比べ、すさの繊維がかたいので中塗り土に混ぜご使用いただくのが一般的です。
【商品名:荒すさ】
収穫後の稲藁を15センチ程度にカットした製品です。荒壁の亀裂防止はもちろん鏝離れ、鏝すべりを良好にし、長期間の土との練り合わせによる腐敗と発酵でより強い荒壁土になります。
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