あくぬき作業をした希少な藁すさ
今回は、当社の超売れ筋の「あく抜き藁すさ」と「ひだしすさ」についてのご紹介を行います。
これら2商品は、発売から30年以上経つロングセラー商品ですが、なにぶん地味であまり目立たない商品なので今回はご紹介させて頂きます。
藁すさ自体あまり使われない特殊な製品ですが、土壁には絶対必要な物でもあります。
【藁すさ】は日本の伝統的な左官材料で、通常土壁に混入されるものです。木舞下地の荒壁から大直し、中塗り、切返し仕舞いから上塗りである糊差しや水捏ねに至るまですべてに利用され、種類も大きさも様々です。伝統的には下地に近いほど大きい物を使用するようです。日本での歴史は大変古く日本最古の法隆寺でもその使用はすでに認められており稲作が日本で行われるようになり土が建築に使われだしたころからすでに混入されていたのではないかと考えられています。昔から国内の稲作農家は多く藁を利用した製品も多く作られていたため、その古材は安価で量も多いことから日本全国で造られ使用されていたと考えられます。このような藁すさも近年の建築様式が徐々に乾式工法に変わりはじめ需要も激減し製造しているところも少なくなってきましたが、当社では少ないながらもまだまだ需要もあり数種類のわらすさを製造・販売しています。 製造方法は昔から変わらず採取した稲藁を水に浸して十分灰汁を抜きよく叩いてほぐし、必要のない節を除去しよく乾燥させ必要な大きさに切断し袋に詰めます。中塗りすさなどは古くなった畳を細かくほぐしよく乾燥させ大きさをそろえ袋に詰めます。原料となる稲藁は刈り取ってすぐのものは水分を多く含み張りがありほぐれにくく灰汁もよく出るため古いものを利用するほうがよいとされています。
当社のあくぬき藁すさとひだしすさは、長期間水にさらしアクを抜いています。
下記の写真は、あく抜き藁すさや、ヒダシすさの粉砕前の藁すさです。
これはこれでいい感じの「ぶつぎりすさ」ですね。
上の写真は、当社の藁すさの原料・・・あくを抜いて天日で干してから粉砕します。
ひだしすさは、切り返しすさとも言い、切返しは中塗り施工後行い、上塗り前に一度塗って置くもので高級工事ではこのまま何年も放置して時期が来たら上塗りを行うこともあります。最近では切返しを糊差し同様に一つの完成とすることもあるため仕上がりの美しさも求められているため、これらに混入されるすさは上品な仕上がりとあまり灰汁のでないものが条件となる。『あく抜きわらすさ』や『ひだしすさ』がその条件を満たしています。
上記の写真は、あくぬき藁すさです。
上記の写真は、ひだしすさです。
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