近畿壁材 | 匠に役立つ塗り壁ブログ
MENUメニュー

匠に役立つ塗り壁ブログBLOG

2024/08/09(金曜日)表面が滑らかに仕上がるオーダー土壁

これが土壁なのと意表ついた発想のデザイン

 

ご相談いただいたのは設計士様。通常土壁といえば小さなひび割れが表面に見えたり、素材に含まれる砂や藁が表面に少し凹凸を作り、素材感ある仕上りになります。

採用をお考えの建築は、少し高く価格設定をした和食店の内部で、コンセプトは落ち着きがあり、ゆっくり食事を愉しめる空間。その空間は「和」を感じ且つ、提供する料理価格に見合う雰囲気がある。

 

 

そのようなコンセプトから設計士様は「土壁」で空間づくりをするのは決定したのですが、自身のイメージに合う「土壁」が無いのでご相談いただきました。

設計士様のイメージは非常に滑らかな表面に仕上がる、品を感じる土壁。提供する料理価格に見合う雰囲気を出すには、素材が引き立つ通常の土壁ではなく、これが土壁仕上げなのかと驚くほど滑らかにして欲しいとの要望でした。

ご相談を受け、研究、開発をすすめましたが、難しかったのは表面が驚くほど滑らかに仕上がるようにする点。土壁特有の粗々しさや力強さが出ないように素材を選定し、調合をしないといけません。

 

 

もう一つ難しかったのは土壁特有の割れを無くすこと。割れが発生すると滑らかな表面を実現できません。土壁は乾燥収縮(塗ってから乾燥するまでに縮む)が大きいため、ひび割れが発生します。田んぼが干上がった時を想像してください。土が乾燥する過程で縮むため、あれだけの割れが発生します。これを無くすのも、やはり使用する素材と調合で調整するしかありません。

このような問題を乗り越え開発し、お客様にご提案したサンプルが下記になります。

 

 

表面のデザインに関してはOKが出ましたが、最終的にこのサンプルから少しだけ色調整の依頼がり、採用に致しました。

その後採用現場で施工していただく施工業者様に施工要領書を作成、提出し、それを元にオンラインで施工方法レクチャを行い、それから現場施工していただきました。

 

当社では淡路島の「土」を素材にした壁材や床材で、お客様の建築イメージ、コンセプト、ニーズに合う空間デザインをご提案をしております。

「こんな感じにしたい」「こんな風にならないかな」「こんな材料、仕上がりになれば実現できるかも」などがあればご相談ください。

 

■オーダーメイド塗り壁について 詳しくはこちら・・・

 

2024/08/06(火曜日)塗り壁のデザイン性を拭き付け工法で表現した土壁

拭き付けでコテで塗ったような立体感あるテクスチャを表現

 

オーダーメイド塗り壁の依頼をいただいたのは建築デザイナー様。

デザイナー様は「塗り壁」でしか表現できない立体的なテクスチャを好み、必ず建築に取り入れてきました。

立体的なデザインの壁は特別感を出せ、非日常空間をつくるのに適しており、また、「塗り壁」は使用する材料や、塗り方を工夫すればテクチャやデザインを無限に表現できるため、クライアントのイメージに合う空間を表現できるので取り入れるそうです。

しかし、問題は「塗り壁」をしたくてもできないこと。その理由は施工業者不足。

ここで言う施工業者はコテと言う道具で「塗り壁」を施工する、左官と言う業種の方々で、仕事をお願いできる左官がいないため、「塗り壁」を建築に採用したくてもできない事が問題になっています。

 

なので、デザイナー様が考えたのは塗装屋による施工。塗装屋なら仕事をお願いできる方が業者様がかなり居るそうです。

 

 

そこでこの度は依頼は本来コテで施工し表現する「塗り壁」の立体的なテクスチャを拭き付けで表現できるようにし欲しいという点。
もう一つは素材には土を使用し、できだけ自然由来のものを使用した壁材料が希望でした。

このオーダーメイド壁を研究、開発する上で難しかった部分一つ目は、拭き付けで塗り厚を確保しないといけない部分。厚みを付けないと立体的なデザインは表現できからです。

通常拭き付け材料は練り水量を多くし、柔らかく、サラサラ状態の材料で施工を行います。その状態でないと拭き付けても材料が飛び出ず、施工できないためです。しかし、当然水のようなサラサラの材料では塗り厚を厚くする事ができません。この相反する2つを両立させる必要があります。

 

 

もう一つの難題ができる限り自然素材を使用する部分。拭き付けは専用の道具、ガンで飛ばした材料が壁に定着することで成立する施工方法です。飛ばしただけの材料が壁に定着するには、かなり定着力が求められます。
しかも、この度の依頼はコテ塗り材料と同じように立体的なデザインが表現できることが求められるため、厚く施工することになるため、なおさら定着力が必要になります。

以上のような難題をクリアし、開発したオーダーメイド壁。実際依頼主様にご提案させていただいた完成サンプルが下記になります。

 

 

サンプルをご覧いただき、納得いただいたので、次回現場での採用が決定しました。

採用が決定したら次は施工方法レクチャです。実際現場に入り、施工する塗装屋さんに材料の使い方、施工方法のポイント、注意点などを試験施工しながらレクチャしました。

 

 

施工する塗装屋さんからも「なるほど。施工しやすいし、難しい材料ではないね。これで安心して現場に向かえます」と言っていただけました。

当社では淡路島の「土」を素材にした壁材や床材で、お客様の建築イメージ、コンセプト、ニーズに合う空間デザインをご提案をしております。

「こんな感じにしたい」「こんな風にならないかな」「こんな材料にすれば実現できるかも」などがあればご相談ください。

 

■オーダーメイド塗り壁について 詳しくはこちら・・・

 

2024/07/27(土曜日)汚れが目立つ漆喰をローラータイプの漆喰でリペア

コテは難しくてもローラーならできるかも

 

梅雨が終わり暑さも増し、いよいよ夏本番。

毎年ですがこの時期当社に増えるお問わせが「外部漆喰壁の汚れ、カビが目立つのでリペアしたい」というお問わせです。

 

 

梅雨時期は雨に打たれ、水を吸い込んでしまった外部の漆喰壁が乾燥する時間が少なく、湿潤状態が長く続くことにより、カビが発生しやすくなり、汚れも付きやすくなります。

特に報告が多いのが北面の壁で、方角的に日照時間が短く、その他方角の壁に比べ、乾きにくいためカビ発生率は高くなります。

 

施工の難易度を下げるローラータイプ

 

リペアのお問わせは一般の方がDIYでしたいという声も多く、そんな場合当社では、施工がしやすい「ローラー」や「刷毛」で塗れるタイプの漆喰を利用する方法をおすすめしております。

 

 

■リペア施工手順

①まずは既存漆喰のカビ、汚れを除去する必要があります。「殺カビ剤」を利用し既存漆喰壁を清掃し、乾燥させます。

「殺カビ剤」もローラー、刷毛で施工できる製品のため、施工は難しくありません。

 


■殺カビ剤 くわしくはこちら・・・

 

②次に専用下地材「しっくるんベース」をリペア面全面にローラーで塗布します。塗布後は12時間以上乾燥させてください。

 


■しっくるんベース くわしくはこちら・・・

 

③最後に「ローラータイプ漆喰 しっくるん」に「塗り壁混入撥水剤 ミクサップ」を入れてよく混ぜ、混ざった材料をローラーで塗り、仕上げていきます。

「しっくるん」は練り状製品なので、「ミクサップ」を混ぜる時、手で簡単に混ぜることができます。

 

 

■しっくるん くわしくはこちら・・・

■ミクサップ くわしくはこちら・・・

 

以上が施工手順になります。

DIYで外部の漆喰壁のリペアをお考えの方はぜひお試しください。

コテ塗りタイプの漆喰より、施工難易度をかなり下げることができます。

匠に役立つ塗り壁ブログ

CATEGORYカテゴリー

ARCHIVE月別アーカイブ