当社の漆喰壁をお使い頂いたお客様より、素敵な漆喰施工現場のお写真をお送り頂きました。
この度、お客様からインスタグラムより施工写真をお送り頂きました。ありがとうございます。
住宅全面を「漆喰」塗りで仕上げた住宅で、漆喰も洋風なパターン仕上げで施工されているとの事です。
最近は、漆喰仕上げもビニールクロスや珪藻土壁と並び定番化され、現代建築にはもちろん、プラスターボードPB(石膏平ボード)にも簡単に塗ることができるようになり、その使用の幅も広がっているように思います。
ただ、亀裂などのリスクはまだまだ解消されたわけでは無く、漆喰の施工というより、下地処理に関する注意が必要です。
当社でも漆喰を安全・安心・メンテナンスなどの視点から下地材や下地処理剤について研究を進めております。
漆喰の「特長」に関しては、最近ではインターネットで検索することで多く見ることが出来ます。
よって、ここでは当社の漆喰の特長ではなく、下地材と下地処理についてお送りいただいたような素敵な住宅にもっと気軽にお使い頂けるよう解説致します。
◇漆喰の下地材?下地処理材?
ご存じの方も多いとは思いますが、通常漆喰は、石膏ボードやコンパネなどの下地に直接塗ることはできません。
「塗れない」というより、塗らないほうがよいといった感じでしょうか。
・・・え!なんで?
漆喰は、そもそも自然素材で硬化と共に炭酸カルシウム(石灰石)要は、石になっていきます。
対象となる下地にボンドや接着剤のようにくっ付いていくというより、硬くなって引っ掛かっていくようなイメージです。
となると、引っ掛かりの少ないまた、表面が紙という弱い素材の石膏ボードには長期的にくっ付き続けるの難しいということです。
一時的にはくっ付いているような状態ですが、建物に生じる生活の振動や道路からくる振動、地震などにより剥がれてしまいます。
じゃぁ~漆喰に接着剤入れればいいんじゃない?
確かに!でも・・・そんなことをしたらせっかくの自然素材漆喰のメリットが減っちゃいます。
それと、実はその引っ掛かりだけがボードに直接塗れない原因ではないんです。
ボードに直接漆喰が塗れないもう一つの大きな要因があります。
それは、漆喰の特徴でもある「強アルカリ」と「調湿性能」にも関係します。
第一に強アルカリですが・・・
漆喰の主成分は、消石灰です。Phが12~14と高く、練って乾燥ししばらくはアルカリが高い状態にあります。
一説に強アルカリは、紙を腐食させる力があります。漆喰の乾燥が遅く長時間石膏ボードの紙がアルカリに侵されることはよくありません。
また、ボードの紙が漆喰のアルカリの水分を吸って、長時間乾かない場合などは、石膏ボードの中の石膏と表面の紙が剥がれてしまうこともあります。
※以前は、当社も石膏ボードに直接漆喰を塗った見本を作っていましたが、砂漆喰など厚塗りし、乾燥に2,3日かかると紙ごと剥がれた事がありました。
と言うわけで、強アルカリの漆喰を紙の上に直接塗るのは剥がれる危険性があります。
第二に調質(湿気を吸う漆喰の性能)ですが・・・
これも経験からの仮説ですが、ボードに直接漆喰を塗って剥がれた現場で比較的多いのは、湿気の多いところ、脱衣所や台所の壁などです。
漆喰には湿気を吸ってくれる性能があります。そのため、吸った湿気が石膏ボードとの接着海面に回りその湿気(水分)が原因で剥がれてしまう危険性です。
紙はもちろん湿気でふやけるので、軟らかい紙の上に硬い漆喰が引っ掛かっている海面に水分があれば取れやすくなりますよね。
と言うわけで、写真の現場のように問題なくお使い頂くには、下地処理と下地材が重要になってきます。
その下地処理と下地材がしっかりしていれば、天井にも問題なく漆喰を塗ることが出来ます。
◇漆喰塗りの下地処理
下地処理?ってあんまりいい言葉じゃないですよね「処理」っていうのがちょっと・・・
当社では、石膏ボードの脆弱な部分や、コンパネ(合板)などのアクを止めるための工程をこう呼んでいます。
〇石膏ボードのジョイント部分を強化する!
〇石膏ボードのジョイント部分を埋める!
〇石膏ボードやケイカル板の吸水を止める!
〇合板などのアクを止める!
など、このまま塗っちゃったらまずいよなぁ~って場合にやる作業をこう呼んでいます。
こんな作業によく使うのが、「シーラー」「パテ」「ネット」などの材料です。
例えばこんな感じ・・・
上記のような製品が、いわゆる下地処理材となります。
◇漆喰施工の下地材(下塗り材)
次に下地材(下塗り材)ですが、これも当社は色々こだわっています。
分け方は複雑で、その状況によって変えたりもするのですが、例えば・・・
① 外壁用か?内壁用か?
② 厚塗りか?薄塗りか?
③ 鏝で塗るのか?ローラー刷毛で塗るのか?
④ 冬用か?夏用か?
⑤ 下地は何か?
などなどお客様の状況によりお勧めする商品が変わります。
など状況に応じて様々な下地材をラインナップさせて頂いております。
漆喰を美しく仕上げるには、下地が大事!とよく言われますが、どんな下地でもといえば無理がありますが・・・
「下地処理」と「下塗り」を適切に行う事で、ビニールクロスも剥がさずリフォームすることも可能です。
漆喰を塗ろうかな?
是非当社にご相談下さい。