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2022/03/24(木曜日)塗り壁の着色(色出し)試験の方法

3種類ずつ程度色出し試験すると効率的


 

漆喰や土壁、セメントなどの塗り壁材は、着色材(顔料)を利用すればどんな色付けも可能で、自分好みのカラーを作ることができます。

しかし、塗り壁の着色でやっかいなのは色出し試験。自分が思い描いている色を実現するために、着色材を塗り壁に混ぜる量を確定させなければなりません。

この試験をやっかいにさせる原因が、塗り壁は水で練って塗りますが、乾燥させないとどんな色になっているかの判断ができない事です。
たまに塗り壁作業中のお客様から、「実物の塗り見本を見てカラーを選んだのに塗ってみたら色が濃い!全然違う!なぜでしょう?」とお問わせいただくことがございますが、塗り壁は水で練って塗りたての時が一番濃いです。要するに水分をたくさん含んでいる時は濃く見え、乾燥する(水分がなくなる)にしたがって色は薄くなります。

色出し試験も同様で、着色材を混ぜた塗り壁を塗って乾燥するまで待たないと、実際にどんな色になっているのかの判断ができません。

試験をひとつずつ行っているとかなり効率が悪いので、着色試験する場合は、一番最初の試験で配合量の極端に違う3種類の配合を一度に行い、だいたいの配合量の目安をつけると格段に効率が上がります。

例えばあなたがグレー色の漆喰を作りたいとします。グレーでも思い描いてる色の濃淡は違うので、下記のように試験し、自分が思うグレー色を見つけます。

ちなみに漆喰は白なので、黒の着色材(顔料)を混ぜれば、グレー色の漆喰を作ることができます。

■グレー色漆喰 色出し試験(例)

①試験体A 粉状漆喰100gに黒色着色材1g (配合量1%)

②試験体B 粉状漆喰100gに黒色着色材3g (配合量3%)

③試験体C 粉状漆喰100gに黒色着色材6g (配合量6%)

このA、B、C3つの配合の漆喰を水で練って同じ下地の上に塗り、乾燥させ色の出かたを見ます。

乾燥させてみた結果、Bの色が自分の思い描いているグレーに一番近いものだったとします。近いが、もう少しだけ濃いグレーが自分の希望だった場合、次の試験は・・・

①試験体A’ 粉状漆喰100gに黒色着色材3.5g (配合量3.5%)

②試験体B’ 粉状漆喰100gに黒色着色材4g    (配合量4%)

③試験体C’ 粉状漆喰100gに黒色着色材4.5g (配合量4.5%)

このような感じで試験をしていくと自分の理想の色に近づきやすいと思います。

参考にしてみてください。

 

塗り壁の着色に関するブログは下記のバナーをクリック!

 

着色した塗り壁をする場合の注意点!

 

塗り壁に使う着色材はどんな材料?

 

由に着色できる塗り壁材料!|左官仕上げ

 

2022/03/23(水曜日)着色した塗り壁をする場合の注意点

着色材(顔料)の混ぜすぎは作業性と仕上りに問題が出る


塗り壁用の着色材(顔料)を利用すれば、基本的にどんな種類の壁材でもお好みのカラーにでき、また色の濃淡も調整ができます。
しかし、もちろん混ぜる事によるデメリットもあるので、ここでは混ぜる場合の注意点をご紹介します。

 

■作業性の問題

着色材(顔料)を塗り壁に混ぜると、保水性が少なくなります。これは着色材自身が水を欲しがる素材のため、塗り壁の水分を奪うためです。
難しく書きましたが、要するに着色材を混ぜた塗り壁は乾くスピードがはやくなります。

乾燥スピードがはやくなるとなぜ作業性に問題がでるの?と思う方もいると思いますが、いままで塗っていたペースより、ペースを上げる必要があり、作業が忙しくなります。
なにも混ぜず塗ったときは、こんな時間じゃ乾くことはなかったのに!表面を直そうと触っても、まだ乾いていないから直せたのに!
でも混ぜたらもう乾いてて直せない!
みたいなことが起きやすくなります。

乾燥スピードがはやくなる現象は、着色材の混ぜる量に比例するので、特に濃い色を選択した場合は注意が必要です。
濃い色を出すためには着色材の配合量が増えるためです。

濃い色を選択して乾燥がはやくお困りの時は糊材をたして保水性を補填してください。

<<塗り壁の保水性を補填する糊材はこちら・・・

 

■仕上りの問題(割れ)

着色材を混ぜた塗り壁は乾燥収縮が大きくなります。乾燥収縮とは水で練った塗り壁を塗ってから、乾燥するまでの縮みのことで、この縮みが大きくなります。
よく縮むため、割れ(クラック)が発生しやすくなるということです。

わかりにくい方は稲刈り後の田んぼを想像してください。乾燥して割れていますよね。田んぼは「土」ですが、土壁と素材は同じです。乾燥するとあれだけの割れが発生するくらい、「土」は乾燥収縮があります。

そんな乾燥収縮を着色材は大きくしてしまうため、注意が必要になります。乾燥収縮も着色材の量に比例するため、濃い色を選択した場合は特に注意してください。

塗り壁の収縮をおさえるためには、骨材(砂)やつなぎ材(スサ)が有効です。濃い色を選択した場合は着色材だけではなく、骨材とつなぎ材を一緒に混ぜると割れのリスクを軽減できます。

<<塗り壁に使える骨材はこちら・・・

<<塗り壁のつなぎ材スサはこちら・・・

 

このように塗り壁を着色するにはデメリットもあるため、デメリットを部分を理解し、解消している調合済み塗り壁もご選択も良いと思います。

<<着色済みで9色ある漆喰はこちら・・・

<<5色のある土壁仕上げ材はこちら・・・

 

塗り壁の着色のことならご相談ください!

 

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塗り壁に使う着色材はどんな材料?

 

自由に着色できる塗り壁材料!|左官仕上げ

 

塗り壁の着色(色出し)試験の方法

2022/03/21(月曜日)大津壁はどんな配合|並大津の配合

 

大津壁の配合に決まった配合はない 配合の目安をご紹介

 

 

大津壁の歴史は古く、江戸時代から続く伝統的な工法で「色土」と「石灰」と「すさ」のみで施工します。

色土にも様々な種類があり、例えば粘土分の高い、黄土を「黄大津」や白土を使った「白大津」など様々な色の大津壁があります。

大津壁にも、「並大津」と「磨き大津」の2種類があり、今回は一般的に使用される「並大津」の配合をご紹介。

並大津は、磨き大津に比べると施工は簡単で、一般的によく使わていました。

現代では、あまり使用されることの少ない大津壁だからこそ、配合が分からないという方も多いのではないのでしょうか。

 

「灰土」と「引き土」の作り方

 

■「灰土」とは・・・下塗用の大津壁

配合は目安として、容積比で色土を約100L、石灰を約30Lの割合で混入し、麻すさは4㎏ほど混入します。

土と石灰を混ぜた状態で練り置きすると硬化してしまうので、土とすさのみを水で練って状態で1週間ほど練り置きすることもあります。

 

■「引き土」とは・・・上塗り用の大津壁

引き土の配合の目安は、容積比で色土を約100Lに対し、石灰を約10~30Lの割合で、麻すさは灰土と同じ約4kgほど混入します。

石灰の量は、冬は多く夏は少なく、晴れの日は少なく曇りの日は多くするので天候や気温によって、職人さんの経験と知識で変わるんです。

 

 

ご紹介させていただいたのは、配合の目安で地域や職人さんあるいは、天候や気温によっても配合は変わるので、あくまでもご参考程度にお願いします。

 

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伝統の左官仕上げ|大津壁とは?

伝統の左官仕上げ|大津壁の素材(原料)について

伝統の左官仕上げ|大津壁を施工する時のポイント

 

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