近畿壁材 | 匠に役立つ塗り壁ブログ
MENUメニュー

匠に役立つ塗り壁ブログBLOG

2022/03/23(水曜日)着色した塗り壁をする場合の注意点

着色材(顔料)の混ぜすぎは作業性と仕上りに問題が出る


塗り壁用の着色材(顔料)を利用すれば、基本的にどんな種類の壁材でもお好みのカラーにでき、また色の濃淡も調整ができます。
しかし、もちろん混ぜる事によるデメリットもあるので、ここでは混ぜる場合の注意点をご紹介します。

 

■作業性の問題

着色材(顔料)を塗り壁に混ぜると、保水性が少なくなります。これは着色材自身が水を欲しがる素材のため、塗り壁の水分を奪うためです。
難しく書きましたが、要するに着色材を混ぜた塗り壁は乾くスピードがはやくなります。

乾燥スピードがはやくなるとなぜ作業性に問題がでるの?と思う方もいると思いますが、いままで塗っていたペースより、ペースを上げる必要があり、作業が忙しくなります。
なにも混ぜず塗ったときは、こんな時間じゃ乾くことはなかったのに!表面を直そうと触っても、まだ乾いていないから直せたのに!
でも混ぜたらもう乾いてて直せない!
みたいなことが起きやすくなります。

乾燥スピードがはやくなる現象は、着色材の混ぜる量に比例するので、特に濃い色を選択した場合は注意が必要です。
濃い色を出すためには着色材の配合量が増えるためです。

濃い色を選択して乾燥がはやくお困りの時は糊材をたして保水性を補填してください。

<<塗り壁の保水性を補填する糊材はこちら・・・

 

■仕上りの問題(割れ)

着色材を混ぜた塗り壁は乾燥収縮が大きくなります。乾燥収縮とは水で練った塗り壁を塗ってから、乾燥するまでの縮みのことで、この縮みが大きくなります。
よく縮むため、割れ(クラック)が発生しやすくなるということです。

わかりにくい方は稲刈り後の田んぼを想像してください。乾燥して割れていますよね。田んぼは「土」ですが、土壁と素材は同じです。乾燥するとあれだけの割れが発生するくらい、「土」は乾燥収縮があります。

そんな乾燥収縮を着色材は大きくしてしまうため、注意が必要になります。乾燥収縮も着色材の量に比例するため、濃い色を選択した場合は特に注意してください。

塗り壁の収縮をおさえるためには、骨材(砂)やつなぎ材(スサ)が有効です。濃い色を選択した場合は着色材だけではなく、骨材とつなぎ材を一緒に混ぜると割れのリスクを軽減できます。

<<塗り壁に使える骨材はこちら・・・

<<塗り壁のつなぎ材スサはこちら・・・

 

このように塗り壁を着色するにはデメリットもあるため、デメリットを部分を理解し、解消している調合済み塗り壁もご選択も良いと思います。

<<着色済みで9色ある漆喰はこちら・・・

<<5色のある土壁仕上げ材はこちら・・・

 

塗り壁の着色のことならご相談ください!

 

塗り壁の着色に関するブログは下記のバナーをクリック!

 

塗り壁に使う着色材はどんな材料?

 

自由に着色できる塗り壁材料!|左官仕上げ

 

塗り壁の着色(色出し)試験の方法

2022/03/21(月曜日)大津壁はどんな配合|並大津の配合

 

大津壁の配合に決まった配合はない 配合の目安をご紹介

 

 

大津壁の歴史は古く、江戸時代から続く伝統的な工法で「色土」と「石灰」と「すさ」のみで施工します。

色土にも様々な種類があり、例えば粘土分の高い、黄土を「黄大津」や白土を使った「白大津」など様々な色の大津壁があります。

大津壁にも、「並大津」と「磨き大津」の2種類があり、今回は一般的に使用される「並大津」の配合をご紹介。

並大津は、磨き大津に比べると施工は簡単で、一般的によく使わていました。

現代では、あまり使用されることの少ない大津壁だからこそ、配合が分からないという方も多いのではないのでしょうか。

 

「灰土」と「引き土」の作り方

 

■「灰土」とは・・・下塗用の大津壁

配合は目安として、容積比で色土を約100L、石灰を約30Lの割合で混入し、麻すさは4㎏ほど混入します。

土と石灰を混ぜた状態で練り置きすると硬化してしまうので、土とすさのみを水で練って状態で1週間ほど練り置きすることもあります。

 

■「引き土」とは・・・上塗り用の大津壁

引き土の配合の目安は、容積比で色土を約100Lに対し、石灰を約10~30Lの割合で、麻すさは灰土と同じ約4kgほど混入します。

石灰の量は、冬は多く夏は少なく、晴れの日は少なく曇りの日は多くするので天候や気温によって、職人さんの経験と知識で変わるんです。

 

 

ご紹介させていただいたのは、配合の目安で地域や職人さんあるいは、天候や気温によっても配合は変わるので、あくまでもご参考程度にお願いします。

 

その他、大津壁の関連ブログは下記のバナーをクリック

伝統の左官仕上げ|大津壁とは?

伝統の左官仕上げ|大津壁の素材(原料)について

伝統の左官仕上げ|大津壁を施工する時のポイント

 

弊社では、大津壁の施工に関することや、その他の塗り壁材料のことでもご相談承ります。

お気軽にお問合せください。

2022/03/20(日曜日)伝統の左官仕上げ|大津壁とは

 

「色土」と「石灰」と「すさ」だけを混ぜたのが大津壁


 

 

大津壁の歴史は古く、江戸時代から土蔵の仕上げに使われてきました。材料は、色土・石灰・すさ(麻すさ、紙すさ)のみで仕上げます。

大津壁は、漆喰とは違って糊材を使わないので、粘土分の多い色土が使われてきました。

有名なもので言えば、白土、黄土、浅黄土などがあげられ、特に浅黄土は当社がある淡路島で採掘される土です。

大津壁は、土によって色が変わり呼び名も変わります。

例えば、白土だと「白大津」、黄土だと「黄大津」、浅黄土だと「浅黄大津」という呼び名になります。

 

名前の由来は滋賀県産の【江州白】と呼ばれる白い土だと言われており、この【江州白】を採取していた場所が滋賀県の大津だったため、「大津壁」の名でその工法が全国に普及したとも言われています。

このように土によって大津壁は、色や呼び名が変わる仕上げ材なんです。

 

■大津壁と色漆喰の違い

 

色土を使って着色する大津壁は、漆喰を着色した色漆喰とは違い色ムラが起きにくいとされています。

理由は漆喰の色ムラの原因になるのは石灰だからです。

石灰は、雨や水に触れると白華(エフロ)という現象が起き、色ムラになります。

ですが、ほとんど土で出来ている大津壁は、漆喰と比べると白華(エフロ)が起きにくく、色むらが起きにくいんです。

 

■並大津と磨き大津

 

実は、大津壁にも大きく分けて2種類の仕上げ方法があります。

 

 

・並大津

並大津には、漂白された麻すさを使い主原料に大きなはありません。

昔は、安価な並大津がよく使われていましたが、強度が弱いことから現代建築に使用されることはかなり減りました。

特に磨き大津とは施工が異なり、比較的簡単で水引き具合を見て通常のコテ押さえで仕上げます。

 

 

・磨き大津

並大津とは全く違って、磨き大津は日本壁の中でも最高級の仕上げに属します。

紙すさを使用し、磨きこまれた表面は鏡のように美しく、硬さにおいても最も優れています。

その仕上がりに伴い、左官の熟練された技術も要し、並大津よりも上質な材料を使用します。昔は、水で練った材料を数年間も保存することがあったほどです。

しかし磨き大津は、材料以上に技術に左右される仕上げであり、昔から「坪一人持」と言われてきました。

これは、職人が朝から夕方にかけて1坪(3.3㎡)を受け持ち、作業を完了するという意味なんです。

つまり、磨き大津は左官仕上げのなかでも、かなり難しい仕上げになります。

 

 

その他、大津壁の関連ブログは下記なバナーをクリック!

 

伝統の左官仕上げ|大津壁の素材(原料)について

大津壁はどんな配合?|並大津の配合!

 

伝統の左官仕上げ|大津壁を施工する場合のポイント

 

 

弊社では、大津壁など様々な塗り壁に関するご質問にお答えしております。お問合せください。

匠に役立つ塗り壁ブログ

CATEGORYカテゴリー

ARCHIVE月別アーカイブ