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「土壁材料」の記事一覧

2022/08/10(水曜日)土壁の強化剤|土壁を保護する「土強」と「土守」どう違うの?


「土強」と「土守」の2つの土壁強化剤の違いは?

 

〇浸透性土壁強化剤 土強(どきょう)

 

土壁の中へ浸透し、隙間に樹脂が入り込み、つなげる事で、強度の弱い古い土壁が崩れないようにする強化剤です。

浸透して内部に入り込む成分と、表面に残る成分に分かれ、土壁そのもの全体を硬くします。

土壁を補修する際、下地の土壁が弱っていたら、その上に塗る作業している時、または塗り終わった後に、弱い部分から剥がれたり、接着不良を起こしたりします。

土壁を内部も外部も硬くする事で安心して次の中塗りや上塗りの工程に進めます。

 

 

〇土壁撥水剤 土守(つちもり)

 

直接水が土壁に当たる場所に塗布する撥水剤です。

土は水に当たると流れてしまうため(※土壁の成分の50%が土だとすれば、理屈では壁の50%は長期的に流れてしまいます)撥水剤の力で土壁そのものに水を当てるのを防ぎます。

塗布して乾くと塗布感が無く、土本来の意匠を損ないません。

【結論】
「土強」は土壁を固くし、強度を向上させ、「土守」は土壁を水から守る撥水性能がある。用途が違う。

 

「土強」は古い土壁を固める場合に使用し、「土守」は外壁の雨があたる箇所の土壁(外壁を土壁仕上げたい場合)を保護するためにご利用ください。

2022/09/01(木曜日)土壁販売|土壁材料について こんな時何を使うの?


土壁専門!土壁のことならおまかせください!


 

土壁材料と言っても種類や利用場面で使用する材料が違う

 

当社は土屋として創業し、今現在も豊富に土壁の材料を取り揃えております。

そのため、お問い合わせを多く頂く土壁ですが、実は土壁にも色々種類があり、種類や利用場面によって使用する材料が違います。

今回はそんな土壁材料についてまとめてみました。

 

 

■下地(荒壁)

 

 

「木舞竹(割竹)」を格子状に組み、荒壁用の土壁を分厚く塗り付けて下地とします。
木舞下地を作るには「木舞竹(割竹)」と、それを編む「木舞縄」が必要になります。作り方は下記をご覧ください。

 

<<小舞荒壁下地の関連ブログは下記から・・・

 

荒壁土を作り、木舞下地に塗るには「荒壁練土」「荒すさ(切り藁)」を混ぜる必要があります。
荒壁土は塗って乾燥すると、田んぼが干上がったときようにひび割れが発生します。

 

 

■中塗り土壁

 

荒壁で出来た割れや不陸(凸凹)を直し、上塗り土壁の仕上がりを綺麗にする為の大事な工程です。中塗り土壁は荒壁と比較すると、表面は平滑になり、ひび割れも小さく、少なくなります。

中塗り土壁を作るには、「中塗り土」「中塗り藁すさ」「左官砂」の三つの素材を混ぜて作ります。三つも素材を混ぜることになり、作業が大変なため、当社では配合済み中塗り土「中土」を製造しております。

仕上り表面は、荒壁ほどの荒々しさはないですが、そのまま仕上げとして楽しむ方も多く、そのまま仕上げにしてしまうのを【中塗り仕舞い】。
そのまま同じような材料を追っかけて仕上げ(一度目に塗った中塗り土が半乾き状態の上に二度目を塗って仕上げ塗り)、藁や土や砂の表情を見せる【切り返し仕上げ】等があります。

 

■上塗り土壁

・水捏ね仕上げ
色土(粘土)とみじんすさ、みじん砂を水だけで練り合わせ、塗って仕上げる土壁の最高級仕上げです。
糊が入らないので耐久性も良いのが特長です。
しかし、糊が入らない土壁は作業性が悪く、塗り厚も厚くなるため、水捏ね仕上げを行うには、かなりの経験と知識、専用の道具等が必要となります。まさに土壁仕上げの最高級です。

・糊差し仕上げ
上記の水捏ねの材料に少しの糊を加えて、水で練ったものを塗る土壁です。糊が入るので作業性は良くなりますが、その分耐久性は落ちます。
弊社の「本土壁やすらぎ」「塗ってくれい」は糊土と言っていますが、厳密には糊差し仕上げの材料になります。

「本土壁やすらぎ」の糊は自然素材が原料の海藻糊、「塗ってくれい」の糊は水性樹脂(水性ボンド)。混ぜる糊の種類を変えることで表面強度に違いを出しております。

・糊捏ね仕上げ
水捏ねや糊差し仕上げの材料を、「黒葉銀杏草」などの海藻糊を炊いて濾した溶液(海藻炊き糊)のみで練り合わせて作った材料を塗る土壁です。
糊差しよりさらに作業性は良くなりますが、耐久性はかなり悪くなります。

 

■土壁補修

土壁補修で一番重要になるのは、下地となる現状の古い土壁の適正な処理です。下地が悪いままだと、そこから剥がれ落ちてしまい、塗り重ねてきれいにした補修作業がすべて無駄になってしまいます。

まず、下地に定着しておらず浮いている部分や、弱く、もろくなっている箇所は確実に落としてください。その後、弱くなっている現状の土壁を固める土壁強化剤「土強」を塗布し、強度を高めます。「土強」の強さは動画でご確認ください。

 

 

古い土壁の強度高めたら、土壁補修用漆喰「島かべドカッ!」を利用し、穴埋めや凸凹を平滑にする作業を行います。

土壁補修用の「島かべドカッと!」の特長は・・・

①厚く塗れる。だから凸凹を簡単に平滑にできる。どれだけ厚く塗れるかは動画をご覧ください。

 

②軽く軽量化しているため、そんなに強度がない古い土壁にやさしい。軽さは動画でご確認ください。

特に土壁補修の場合は、凸凹で平滑にするために厚く塗る必要があるので、補修材料の重量は下地への負担になります。

 

■土壁の下地材料(土壁を塗るための下地)

土壁は自然素材が原料のため、接着力はそれほど無く、適正な下地処理をしないと剥がれてしまします。
近年塗り壁を塗る下地として圧倒的に実績が多いのが、内壁なら【石膏ボード(プラスターボード)】、外壁なら【ラスモルタル】です。土壁も同様で、補修や塗り替えを除くと、施工するならこの2種類の下地に塗ることが多くなります。

この2種類の下地、内壁【石膏ボード】、外壁【ラスモルタル】に土壁を塗ることを想定して、開発したのが「万能下地材 さっと!」になります。

「さっと!」で下地を作ることにより、上塗り(仕上げ塗り)の土壁の作業性が良く非常に塗りやすくなり、また、壁面にしっかり土壁が定着します。

 

このように土壁の種類や、利用場面で使用する材料は違うのでみなさん注意してください。

 

◇土壁材料関連ブログは下記から

<<土壁を塗るための下地材料について


<<仕上げ(上塗り)に使う土壁材料について


<<土壁をつくるための材料(素材)について


<<土壁補修に使う材料について

 

土壁材料、施工方法のことならご相談ください!

2022/08/01(月曜日)土壁の強化剤|土強(どきょう)の強度試験

下地を強化しないと下地から剥がれ落ちたら塗り直し工事が無駄に


 

剥がれ落ちてしまった土壁の補修のお問い合わせが急増しております。

ボロボロ取れる弱くなった土壁は取り除いて、残った土壁を固める為に浸透性の土壁強化剤「土強~どきょう~」を塗布して土壁強化を当社はおすすめしていますが、なかなか言葉では伝わりにくいので試験中の様子を紹介します。

 

こちらは外部で約半年間放置した見本です。

石膏ボード300角サイズ全体に中塗り土を塗り、下半分だけ土強を塗布していましたが、みごとに上半分だけ土壁が無くなっています。

しかも下地の石膏ボードも水でボロボロになって砕けてしまいボード表面の紙だけ残っています。石膏はもともと水に弱いので外部に放置すれば当然の結果ですが・・・

そんな中でも土強(どきょう)を塗布した箇所はきちんと中塗り土の原型を残しています。

 

土強(どきょう)は土壁どうしを強固に繋ぎ合わせ、土壁内部で水で溶け出すことがない、不溶性の無機物質を作り、土壁の強度を向上させる仕組みになっております。


この高い強度を土壁に出せるため、土壁補修におすすめしております。

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