近畿壁材 | 匠に役立つ塗り壁ブログ
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「土壁お探しですか?」の記事一覧

2024/04/24(水曜日)土はどうやってできる?

砂や粘土に腐った動植物の遺骸が混ざったもの

 

私達が住む地球の70%は海ですが、残りの30%は茶色や緑の大地が占めています。茶色い大地は土の色です。

土は数ある惑星の中で、地球にしか存在しないと言うことをご存でしょうか?なぜなら、現在生物が確認できている唯一の惑星だからです。

土ができる過程を簡単に説明すると、岩石の風化によって砂や粘土ができます。その砂や粘土上に生きていた植物や動物の遺体が重なり、腐って腐植し、混ざり合うことで土ができます。

混ざり合い、数百年~数百万年かけて土が生成されます。

地球が誕生したのが今から46億年前、そんな地球上に土が誕生したのが5億年前と言われています。地球と土はおじいちゃんおばあちゃんと孫ほどの年の差があります。

話はそれましたが、つまり、土ができるには生物が必要なため、地球にしかない特産物なんです。

 

 

土は植物や生態系を支える基盤になっています。

生き物を育み、同時に生き物が育んだもの、相互作用によってつくられる土が、現在人類が抱えている環境問題を解決するためのヒントになるような気がします。

 

2024/02/26(月曜日)【淡路島】と【土】私たち【近畿壁材】について

■「淡路島」はじまりの大地

 

古事記・日本書紀によると、おのころ島で夫婦となった伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)の二柱の神は、日本列島の島を次々に生んだとされている。

その中で最初に生まれた島が「淡道之穂之狭別島(あわじのほのさわけのしま)」、すなわち淡路島であると記されている。

国生みの島「淡路島」は日本列島が生まれた、そのはじまりの大地

 

 

■大地は私たちの原点

 

人々は大地を踏みしめ、土に守られてきました。そして、それらを生きる知恵に変えてきました。

土にさまざまな素材を技術によって混ぜ合わせ「暮らし」の中に溶け込ませてきました。

日本列島が生まれたそのはじまりの大地、「土」を素材として私たち「近畿壁材」は活動している。

「土」を通してたくさんの方に癒しや喜びを与えられるように、「土」に私たちの技術と美意識を注ぎ込み、時にはライフスタイルを彩る壁になり、時には感性をくすぐるアートになり、ミュージアムとなり、「近畿壁材」の精神になっています。

 

 

■淡路島の土の産業と歴史

 

「淡路島」で創業して110年、私たちは土屋としてこの大地の恵み「土」を販売してきた。
理由は「淡路島」では良質な「土」がたくさん採れる。そんなことから「淡路島」には「土」を使った産業が多くある。

有名なのは日本三大瓦のひとつ「淡路瓦」。その他には瓦と同じく土を焼いて作る「タイル」の大手メーカー工場もある。
また、近年ではその品質と量の豊富さから、陶芸家の移住も多く、窯元も増えている。

 

■これから先の未来に必要な「土」

 

環境問題が大きな問題になっている現代、エコでサスティナブルな物が求められ、自然との共生を意識する方も増えている。

サスティナブルな「土」はこれから先の未来に必要と言えるのではないだろうか。

例えば、「土」を素材とする土壁は、剥がしたものを廃棄処分する必要が無く、元の「土」に返すことができる。

また、剥がした土壁は新しい土壁と混ぜれば再び壁に塗ることができ、再利用することもできる。

ゴミを出さず、再利用できる「土」は環境問題の観点からも今注目されている。

 

2023/11/15(水曜日)土壁の歴史と性能

土壁の歴史

 

人類の誕生が約500万年前。その人類が始めて住居としたのが土を掘った横穴式の住居です。

土は住居用の建築材料として人類の歴史と共に使われてきました。

日本で左官材料(塗り壁材)として始めて土が壁に塗られたのが、西暦500年頃の飛鳥寺建築だと言われております。その後、西暦700年頃に土工司とも言われる左官職(塗り壁職人)の基礎が出来上がったとも言われております。

このような歴史ある土壁は土・藁・砂の3つの素材から出来ており、1,500年ほぼ変わらぬ形で現在まで継承されています。

 

土壁の性能

 

土壁が現在までほぼ形を変えず、継承されているのは、その機能・性能が理由の一つだと言われています。

ここでは土壁の主な性能を紹介します。

 

■調湿性

土壁は古くから使われている酒蔵や貯蔵庫でよく見ることができます。その理由は、気温や湿度を調節してくれる力にあります。

日本の気候は、四季によって気温が大きく変化し、さらに雨が多く”多湿”という特徴があります。酒造りには湿度や気温の調整が必要になるため、調湿性に優れた土壁が酒蔵などに活用されてきました。

日本における梅雨の時期はジメジメと不快な気候ですが、土壁の家であれば湿気を吸い取ってくれるため、室内干ししても快適だと言います。また、冬に多い結露も防止してくれるため、結露によるカビの発生やシックハウス対策にも有効とされています。

 

■防火性

土は本来燃えにくいものです。そのため、土壁は耐火性に優れています。

また、土壁は火に接触して温度が上がっても有害な化学物質を放出しません。建築基準法の観点から見ても、安全な防火構造と言えます。

 

■消臭性

土壁には、家にこもりがちな生活臭を取り除く性質があります。料理・ペット・人の汗から発生する臭いなど、家の中には様々な臭いが漂っています。

この臭い成分の大部分は空気中に含まれるため、土壁が空気と一緒に吸収してくれる働きがあります。

 

土壁ならではの数値では表せない性能

 

上記が土壁の主な性能ですが、当社土のミュージアムにご来館いただき、土の空間を体験した方、多数に言われた言葉があります。

「すごく落ち着くので、ここにしばらく座っててもいいですか?ここで読書してもいいですか?」

「あたたかさ、柔らかさ感じます。素足で歩いてもいいですか?」

「この中にいるとなぜか気持ちがホッコリします」

などです。

主な性能のように数値やデータなどで表すことはできませんが、これらの土の空間体験談は、土壁ならではの性能と言えるのかもしれません。

 

人の手では作れない、作為的でない表情になる土壁

 

土の空間体験で、もうひとつ多くいただく意見が表情の豊かさです。

例えば土は同じ材料を、同じように施工しても、経年で少しずつ色が変化します。その変化は同じように変化せず、壁面内で変化するところと、変化がそれほど見られないところに分かれることがあります。

これは、その時採取した土に含まれる鉄分などの成分含有量に違いがあるためで、調湿を繰り返すことで色の変化に違いが出ます。

また、土の「割れ」や「朽ちていくさま」などは、それ自体、人間がコントロールできない柄、テクスチャになります。

このような土の自然の風合いが、表情豊かで魅力的だと言う意見です。

経年で変化する表情も、土の性能に含まれるのかもしれません。

 

これからの時代に必要な土壁

 

土壁の素材は土・藁・砂の自然素材です。剥がした土壁を処分する場合は、廃棄処分する必要が無く、元の土に返すことができます。

また、剥がした土壁は新しい土壁と混ぜれば再び壁に塗ることができ、再利用することもできます。

環境問題が大きな問題になっている現在、エコでサスティナブルな物が求められ、自然との共生を意識する方も増えています。

ゴミを出さず、再利用できるエコな土壁は、これからの時代に必要な建築材料としても注目されています。

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