近畿壁材 | 土壁補修を極める Vol.1 仕上げに漆喰(しっくい)が塗れるように・・・
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2020/06/06(土曜日)土壁補修を極める Vol.1 仕上げに漆喰(しっくい)が塗れるように・・・

古い土壁補修は現状確認が一番大切

土壁補修を行う場合は、まず補修予定の古い土壁がどのような状態なのかを確認する作業から始まります。
確認作業を行い、現状復旧できるかどうかの判断します。下記に示す状況の場合は現状復旧より、下地から改修する必要があります。
・小舞竹が露出しており、縄が腐っている
・中塗り土はすべて剥がれ落ち、残っている荒壁土は小舞竹に接着しておらず、たたくとポコポコと浮いている
・指で押さえると指が簡単に土壁の中に入り込むぐらい風化している
・破風、軒などの下地が露出している
このような状況の場合は下地から改修する必要があります。

復旧できるなら再度古い土壁を確認

復旧できると判断したら再度土壁を確認します。もし古い漆喰壁など、仕上げ材が残っているならすべて剥がし落とし、土壁の状態にしてください。
土壁は何層にも塗り重ねられています。もし、部分的に浮きや亀裂が発生している場合は、発生している層を見極め、その層まで撤去してください。
大きな亀裂が発生している場合は、亀裂周辺部をVカットにしてください。

最後は土壁表面の清掃・撤去

長期間補修せず、風雨にさらされた土壁表面は粘土分が流れ落ち、砂などの骨材が露出し、ボロボロしており表面の強度がありません。
現場状況により作業できない場合もあると思いますが、土壁表面をブラシなどで水洗いします。この作業で表面の弱く、もろくなっていた部分は落ちます。
また落ちずに残った土壁部分は水分を含んで、濡れた状態になっています。濡れた土壁に木鏝やブラシを円を描くように押し当て、土壁をもみ込み、ノロを浮かせます。

そうすると粘土分が表面に浮き上がり、乾燥後強くなります。古い土壁の強度を再び高め、蘇らせるような作業です。
もし水洗い作業を行えない現場なら、ほうきやブラシなどを利用し、土壁表面を力強く掃いてください。水洗いの時と同様にこの作業で弱い部分を落とします。水を使用できないため土壁の強度をよみがえらせる作業を行えないため、水洗いの方がより丁寧な作業方法になります。

≫近畿壁材の土壁補修マニュアルはこちら・・・

Vol.2 へつづく・・・

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