塗り壁の特徴の一つに調湿機能があります。
呼吸性能ともいい、湿気が多いとその湿気を吸ってくれ、乾燥すると、壁内に蓄えている湿気を放出する機能です。
壁の選択をする時に重要な機能で「クロスとどう違うの?」や「他の調湿を謳っている塗り壁とはどうなの?」とご質問を頂く事があります。
もう製品になっている物はデータとして分かる事も多いですが、オリジナルの壁作成等ですと、中々それだけで試験場で試験という訳にもいきません。
弊社はそういう場合でも簡易的に実験し、お客様の求める性能に達しているかを研究もします。
今回はその一端をご紹介します。
例:調湿を売りにした塗料で競合はビニールクロス
簡易的な密閉空間を作り、それぞれの塗り見本を貼り付けています。
石膏ボードが湿気を吸わない様に、目張りしています。
左がビニールクロス、右が研究中の塗料で塗り厚は1㎜弱です。
同じ条件にします。
5分後、まだあまり変わりません。
9分後、少し湿度が上昇して来ました。
11分後、左のビニールクロスの部屋は、湿気の行き場が無くなったのかどんどん湿度が上昇します。
20分後、ビニールクロスは湿度90まで上昇しました。対して試験中の調湿塗料は60度代をキープしています。
1時間後、ビニールクロスの部屋の行き場の無くなった湿気は、少しづつ結露として水滴になります。湿度も依然高いままです。
調湿塗料の方は、あまり変化はありません。
このまま密閉を続けると、塗り壁が吸える限界が来て結露すると思いますが、通常の生活ではこんな極端な状況はあまりないので、快適な空間(人は60度ぐらいの湿度が心地いい)になるのではないでしょうか。高気密住宅が多い現代こそ、塗り壁の調湿性能は大事だと思います。
このように簡易的な試験も行いながら、お客様の求める製品作りをしていきたいと思います。