スポンジ拭きで土間たたきの劣化を抑える! |
昔ながらの土間たたき材料【重吉たたき】を使ってスポンジ仕上げ。
「重吉たたき」は、土と石灰とにがりがセットになった昔ながらの土間たたきです。
古民家や伝統建築の三和土(たたき)の施工は、「重吉たたき」をご利用ください!
元々は三和土の上を歩くわけではなくて、飛び石を伏せこんでその廻りをたたきにし、飛び石の上を歩いていたので劣化抑えられていました。
しかし、最近では飛び石がない場所へのたたきの採用が増えており、劣化しやすくなっています。なので施工時にちょっとひと工夫して表面劣化を予防することができます。
今回は、そんな劣化を抑えるために「重吉たたき」のスポンジ拭き仕上げをご紹介!
土間たたきスポンジ拭き施工方法
①バッサ状態(手で握り水分が出ない程度)に練ります。
※水分が多いと叩き締める際に材料が右へ左へ寄ってしまい上手く叩けません。
②叩き締める前にある程度全体が均一になるように敷き詰めます。その後万遍無く叩き締めます。
※いきなり叩き締めると不陸(凹凸)がうまくとれません。叩き鏝や木材でタコを作りたたくと重みがあってあまり力を入れなくても叩き締まります。
叩き終わっても、バッサ状態の材料を叩き締めているため表面が凸凹でザラザラしています。
このまま硬化しても表面がザラザラ状態なので上を歩くと削れてしまったりします。
③表面にスポンジで水分をあげながら整えていきます。表面に水分を含ませたら、分厚い鏝で全体を整えます。
水分を多く含んだ表面が密になり、表面強度が上がります。
④表面を整えたら(③)、当日もしくは翌日にスポンジ拭きを行います。
スポンジ拭きは、表面に浮いてきたノロ(表面にできた膜)を拭き取ることで、砂利が見えるような仕上がりになります。
⑥スポンジ拭き後、完全乾燥したら「酸洗い」の工程に入ります。
三和土はスポンジ拭き乾燥後は表面が白華(白く色ムラ)になるので、表面を酸で洗って仕上げ終了。
以上の工程で土間三和土の表面が密に結合しているため、削れに強い本物の三和土になります。
折角こだわりを持って採用頂いた三和土がいつまでも長持ちして頂きたいので、施工時のひと手間を加みてはいかがでしょうか?
【重吉たたき】を使った削れにくいスポンジ拭き工法のご紹介でした!
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