ご質問を受ける漆喰とペンキ(塗料)の違い |
まず漆喰ですが・・・
基本的には、消石灰、海藻糊、麻すさで出来ています。ひび割れ抑制の為に補助として炭酸カルシウムを混入したりもします。
それを水で練った物が漆喰です。
そして塗る為に必要だった水が蒸発して乾燥し、空気中の二酸化炭素と消石灰(水酸化カルシウム)が化学反応を起こし、徐々に硬化していきます。
二酸化炭素にふれなければ硬化しないので、一気には固まらず、施工したてより何十年も経った漆喰の方が硬いです。水があるうちは固まらないんですね~ だからその特性を活かして練り置きが出来たりもします。
例えば粉状の漆喰20㎏を練るのに15㎏ぐらいの水が必要ですが、施工した後、水は蒸発していきます。塗りっぱなし仕上げなどのパターン漆喰は水が抜けた後の隙間があるので、良く水を吸います。ですので外部のパターン仕上げは撥水剤が必要なんですね。
対して押さえ仕上げは、ある程度の水が抜けると鏝厚を掛けて水が蒸発した隙間が埋まっていきます。これを繰り返せば繰り返すほど、原材料の消石灰などが詰まって水を通さない壁になります。
対してペンキは・・・
樹脂、顔料、溶剤(シンナーやアルコールや水等)で出来ています。その他には作業性改善等の為の添加剤が入っています。
樹脂は固まって膜を張り、顔料で厚みを揃えたり着色したりします。それらを溶かして混ぜ合わせるのが溶剤です。水だと水系(水性)、シンナーやアルコールだと有機溶剤(油性)となります。
施工して溶剤が蒸発して乾くと樹脂と顔料が混ざりあったものの膜が残ります。この膜は水を通しにくい(気密性が高い)ので、外部や水廻りによく使用されます。
ペンキは施工してすぐが一番硬く、徐々に劣化していきますし、樹脂の性能で大きく変わるので、材料選びも慎重にですね。
ちょっと専門的になりましたが、ご参考程度に・・・