これが土壁なのと意表ついた発想のデザイン
ご相談いただいたのは設計士様。通常土壁といえば小さなひび割れが表面に見えたり、素材に含まれる砂や藁が表面に少し凹凸を作り、素材感ある仕上りになります。
採用をお考えの建築は、少し高く価格設定をした和食店の内部で、コンセプトは落ち着きがあり、ゆっくり食事を愉しめる空間。その空間は「和」を感じ且つ、提供する料理価格に見合う雰囲気がある。
そのようなコンセプトから設計士様は「土壁」で空間づくりをするのは決定したのですが、自身のイメージに合う「土壁」が無いのでご相談いただきました。
設計士様のイメージは非常に滑らかな表面に仕上がる、品を感じる土壁。提供する料理価格に見合う雰囲気を出すには、素材が引き立つ通常の土壁ではなく、これが土壁仕上げなのかと驚くほど滑らかにして欲しいとの要望でした。
ご相談を受け、研究、開発をすすめましたが、難しかったのは表面が驚くほど滑らかに仕上がるようにする点。土壁特有の粗々しさや力強さが出ないように素材を選定し、調合をしないといけません。
もう一つ難しかったのは土壁特有の割れを無くすこと。割れが発生すると滑らかな表面を実現できません。土壁は乾燥収縮(塗ってから乾燥するまでに縮む)が大きいため、ひび割れが発生します。田んぼが干上がった時を想像してください。土が乾燥する過程で縮むため、あれだけの割れが発生します。これを無くすのも、やはり使用する素材と調合で調整するしかありません。
このような問題を乗り越え開発し、お客様にご提案したサンプルが下記になります。
表面のデザインに関してはOKが出ましたが、最終的にこのサンプルから少しだけ色調整の依頼がり、採用に致しました。
その後採用現場で施工していただく施工業者様に施工要領書を作成、提出し、それを元にオンラインで施工方法レクチャを行い、それから現場施工していただきました。
当社では淡路島の「土」を素材にした壁材や床材で、お客様の建築イメージ、コンセプト、ニーズに合う空間デザインをご提案をしております。
「こんな感じにしたい」「こんな風にならないかな」「こんな材料、仕上がりになれば実現できるかも」などがあればご相談ください。