拭き付けでコテで塗ったような立体感あるテクスチャを表現
オーダーメイド塗り壁の依頼をいただいたのは建築デザイナー様。
デザイナー様は「塗り壁」でしか表現できない立体的なテクスチャを好み、必ず建築に取り入れてきました。
立体的なデザインの壁は特別感を出せ、非日常空間をつくるのに適しており、また、「塗り壁」は使用する材料や、塗り方を工夫すればテクチャやデザインを無限に表現できるため、クライアントのイメージに合う空間を表現できるので取り入れるそうです。
しかし、問題は「塗り壁」をしたくてもできないこと。その理由は施工業者不足。
ここで言う施工業者はコテと言う道具で「塗り壁」を施工する、左官と言う業種の方々で、仕事をお願いできる左官がいないため、「塗り壁」を建築に採用したくてもできない事が問題になっています。
なので、デザイナー様が考えたのは塗装屋による施工。塗装屋なら仕事をお願いできる方が業者様がかなり居るそうです。
そこでこの度は依頼は本来コテで施工し表現する「塗り壁」の立体的なテクスチャを拭き付けで表現できるようにし欲しいという点。
もう一つは素材には土を使用し、できだけ自然由来のものを使用した壁材料が希望でした。
このオーダーメイド壁を研究、開発する上で難しかった部分一つ目は、拭き付けで塗り厚を確保しないといけない部分。厚みを付けないと立体的なデザインは表現できからです。
通常拭き付け材料は練り水量を多くし、柔らかく、サラサラ状態の材料で施工を行います。その状態でないと拭き付けても材料が飛び出ず、施工できないためです。しかし、当然水のようなサラサラの材料では塗り厚を厚くする事ができません。この相反する2つを両立させる必要があります。
もう一つの難題ができる限り自然素材を使用する部分。拭き付けは専用の道具、ガンで飛ばした材料が壁に定着することで成立する施工方法です。飛ばしただけの材料が壁に定着するには、かなり定着力が求められます。
しかも、この度の依頼はコテ塗り材料と同じように立体的なデザインが表現できることが求められるため、厚く施工することになるため、なおさら定着力が必要になります。
以上のような難題をクリアし、開発したオーダーメイド壁。実際依頼主様にご提案させていただいた完成サンプルが下記になります。
サンプルをご覧いただき、納得いただいたので、次回現場での採用が決定しました。
採用が決定したら次は施工方法レクチャです。実際現場に入り、施工する塗装屋さんに材料の使い方、施工方法のポイント、注意点などを試験施工しながらレクチャしました。
施工する塗装屋さんからも「なるほど。施工しやすいし、難しい材料ではないね。これで安心して現場に向かえます」と言っていただけました。
当社では淡路島の「土」を素材にした壁材や床材で、お客様の建築イメージ、コンセプト、ニーズに合う空間デザインをご提案をしております。
「こんな感じにしたい」「こんな風にならないかな」「こんな材料にすれば実現できるかも」などがあればご相談ください。