淡路島土と生きる その6 土を知るには岩石から
岩石から土はできている
□ 岩石を知る
岩石から土ができたことから土を知るには岩石を知る必要があるようです。
土は、岩石の風化により生まれた礫・砂・沈泥(シルト)・粘土と有機物(動植物の死骸)が混ざったものであることから、岩石から誕生したことは間違いありません。
ただ、もともとの岩石の色が土の色であるというわけでは無いようです。
岩石の種類について、岩石は大別すると変成岩と火成岩と堆積岩の3種類、淡路島にもこれらの岩石を見ることができます。
・火成岩(かせいがん)って何
火山のマグマが冷えて固まった岩石ですが、マグマも地表で急激に冷やされてできる岩石と、地面の深くで徐々に冷えて固まった深成岩に分かれています。
ようするに火成岩は、火山の地下にあるマグマの固まり方の違いにより、固まった岩石です。
・堆積岩(たいせきがん)って何
土を構成する物質にもある、礫や砂やシルトや粘土、その他にもサンゴなどの生物の遺骸などが流れて堆積した岩石です。
その堆積したものにより、礫岩や砂岩、泥岩、凝灰岩、石灰岩やチャートなどに分けられています。
珪藻土もその堆積岩に分類されます。
・変成岩(へんせいがん)って何
変成岩とは、岩石が圧力や温度の影響を受けることで異なる岩石に変化したもので、岩石を変成岩に変化させる作用を変成作用という。変成作用は狭い範囲の接触変成作用と、広い範囲の広域変成作用の2種類ある。片麻岩や結晶片岩は広域変成岩。ホルンフェルスや結晶質石灰岩(大理石)は接触変成岩。
・接触変成岩 マグマによって変性
マグマに接した岩石はその熱により変成作用(接触変成作用)を受け、接触変成岩となる。たとえば泥岩がマグマの熱でかたくて、密なホルンフェルスという岩石になったり、石灰岩がマグマの熱で晶質石灰岩(大理石)になったりする。当然マグマに接しているところが一番強い変成作用を受け、離れるに従って変成作用は弱くなる。この範囲はせいぜい数kmである。また、マグマ起源の熱水と反応して別な岩石になることもある。
・広域変成岩 地殻変動により変性
大山脈を作るような変動(造山運動)においては、その中心部では高い圧力や熱が発生する。こうした圧力や熱による変成作用を広域変成作用といい、広域変成作用でできた変成岩を広域変成岩という。高い圧力のもとでは、結晶片岩というものができる。結晶片岩は鉱物が一定方向に並んでいる片理という構造が顕著である。庭石としてよく使われる三波石(さんばせき)は結晶片岩である。 高い温度のもとでは、片麻岩ができる。砂岩-片麻岩-花こう岩と連続的に変化しながらつながっているところがある。このように、造山運動の際の高温・高圧下で堆積岩が一度融解して、それが再び固まってできる花こう岩もあるらしい。
岩石の種類の表
火成岩 | 火山岩
斑状組織 (大:班晶+小:石基) |
玄武岩
流紋岩 安山岩 |
地表や地表近くで急速にマグマが冷え固まってできた岩石 |
深成岩
等粒状組織 |
花崗岩
斑れい岩せん緑岩 |
地下でマグマがゆっくり冷え固まった岩石 | |
堆積岩 | 岩石や鉱物の破片の堆積岩 | 礫岩 | 礫が固まってできた岩石 |
砂岩 | 砂が固まってできた岩石 | ||
シルト岩 | シルトが固まってできた岩石 | ||
泥岩 | |||
火山噴出物の堆積岩 | 凝灰岩 | 軽石、火山灰が押し固められてできた岩石 | |
生物の遺体などの堆積岩 | 石灰岩 | サンゴなどの遺体、炭酸カルシウムが主成分 | |
チャート | 殻をもった生物の遺体、二酸化ケイ素が主成分 | ||
変成岩 | 接触変成岩 | マグマの熱により変質した岩石 | |
広域変成岩 | 地殻変動などによる高温・高圧状態で変質した岩石 |
※ 珪藻土も堆積岩:珪藻・植物プランクトンの死骸が堆積した岩石
土はどこにでもあり、当たり前のように毎日目にする物質です。
私達の暮らしに欠かせない土をこれからも調べていく必要があるようです。
◻ 淡路土が生み出す大地の素肌、土のミュージアムSHIDO
国生みの大地、その大地が隆起し、突如現れたかのような空間を構成している土のミュージアムSHIDO
壁も床も淡路土から作られる剥き出しの大地の素肌は、新しくも懐かしくもある感触と、人間たる鼓動を震わせ、同時に安堵を感じさせるような感覚を五感で感じることができる空間である。
歴史と伝統の淡路土から湧き出る力、唯一無二のデザインそれは単なる建築資材を超えた存在として見る人の感性を刺激し続けます。
◻ 土のミュージアムSHIDOが手掛ける、淡路土が生み出すアート、地文(JIMON)
地文(JIMON)とは淡路土が作り出す大地の紋様。
淡路島の大地のありさまであり、山や川、海、池などの表面の紋様であり、淡路島の自然そのものを淡路島の素材で表現したテクスチャーである。
淡路島の大地の豊かさ、動植物の生命の息吹き、四季折々。
遥か昔から詩や絵画によって花鳥風月が表現され、淡路島は現代にもなおその美しさが届けられています。
淡路島の自然が作り出す美しさをありのまま表現するということは、これまで日本に伝わってきた芸術のように悠久に紡がれ続け、永久に届く力がある。
地文は、淡路土を使い生活のとなりで日々そのことを感じられる空間でありアートである。