淡路島土と生きる その4 岩石から土へ
岩石の風化と有機物の混合からできる土壌
□ 土はどのように誕生したのでしょうか?
土は、岩石からできています
土は、地球の表層にある鉱物と有機物が混ざったもので、鉱物は岩石の風化作用によって作り出されます。砂利・砂・シルト・粘土から作られ、有機物は植物や動物の腐敗物であり、多くの微生物も含まれています。
土は5億年前に地上に誕生します、46億年前に誕生した地球は岩石しかありませんでした。その地球の岩石がどのように土と変わっていくのか?土はどのようにして生まれてきたのか?地球が誕生した当初は土がなく岩しかなく岩がどのようにして土になったか?
それらには、地球にしかない水と植物の影響が大きいようです。
岩石は、物理的、科学的な自然の力で「風化」が起こり、風化の過程で岩石が崩れ小さな砂や粘土になります。このように風化によって崩れ、土の元となる材料(母材)ができます。
地球最初の土は、地上最古の植物コケや地衣類(ちいるい)【植物、藻類と菌類、カビが共生してできる複合体】が岩石表面に付着し、コケや地衣類から何らかの酸性物質(有機酸)を出し岩石を溶かします。自らが生存に必要なリン・カルシウム。カリウムを吸収しますが、その吸収した栄養分の残りが砂や粘土になり、その砂や粘土とコケや地衣類が混ざりあったものが地球に現れた最初の土となります。
◻ 岩石が粘土に変わる物理的風化と化学的風化
岩石の風化により誕生する土・・・
風化作用とは岩石が大気や水の動き気温の変化などによって岩石が細かく分解されていく現象で、昼間の太陽熱で膨張し、夜は気温が低くなって収縮します。岩石には様々な成分が入っていることから膨張と収縮の大きさがかわり、それを繰り返すと岩石に亀裂が入ります。その割れ目に水が侵入し、徐々に割れ目が大きくなります。そのようなことから岩石は次第に壊れていきます。これを物理的風化と言われています。
それ以外にも雨水や植物からの二酸化炭素が水に溶け込み弱い酸として働きます。これらの酸が岩石を分解し岩石が反応して変質、化学変化や分解していく腐植や溶解といった過程で岩石が崩れていくことを化学的風化と言われています
「物理的風化」とは・・・
岩石に含まれる鉱物が、気温の変化による膨張収縮を繰り返し、割れ目が入ります。その割れ目に水が流れたり、寒い地域ではその入った水が凍結し膨張したりします。そのような物理的な要因から割れ目が大きくなり岩石が崩れ小さくなり、礫(れき)砂(すな)シルトといった細かい粒子になっていくことを物理的風化といいます。
「化学的風化」とは
岩石の中に鉱物が含まれていますが、鉱物の中にはアルミニウムやケイ素、カルシウム、カリウムなどの元素が含まれています。物理的風化により細かくなった鉱物に酸性雨などの雨水により反応し鉱物内に含まれているそれらの物質が溶け出します。その溶け出した物質の一部が固まり粘土になります。粘土は、その溶け出したアルミニウムとケイ素が再合成された鉱物で、再合成のしかたにより様々な粘土が生まれます。
酸性土壌は、酸性雨だけが原因ではないらしい、植物からでる二酸化炭素が雨で地表に溶け込み炭酸水になります。
根や微生物からは有機酸もしみ出し、これらの酸が岩石を溶かし土に変える。岩石から1年間で0.1ミリの土が生まれます。
◻ 淡路土が生み出す大地の素肌、土のミュージアムSHIDO
国生みの大地、その大地が隆起し、突如現れたかのような空間を構成している土のミュージアムSHIDO
壁も床も淡路土から作られる剥き出しの大地の素肌は、新しくも懐かしくもある感触と、人間たる鼓動を震わせ、同時に安堵を感じさせるような感覚を五感で感じることができる空間である。
歴史と伝統の淡路土から湧き出る力、唯一無二のデザインそれは単なる建築資材を超えた存在として見る人の感性を刺激し続けます。
◻ 土のミュージアムSHIDOが手掛ける、淡路土が生み出すアート、地文(JIMON)
地文(JIMON)とは淡路土が作り出す大地の紋様。
淡路島の大地のありさまであり、山や川、海、池などの表面の紋様であり、淡路島の自然そのものを淡路島の素材で表現したテクスチャーである。
淡路島の大地の豊かさ、動植物の生命の息吹き、四季折々。
遥か昔から詩や絵画によって花鳥風月が表現され、淡路島は現代にもなおその美しさが届けられています。
淡路島の自然が作り出す美しさをありのまま表現するということは、これまで日本に伝わってきた芸術のように悠久に紡がれ続け、永久に届く力がある。
地文は、淡路土を使い生活のとなりで日々そのことを感じられる空間でありアートである。